[S9-2- 7] アジア産シダ植物の種・系統多様性評価

 本サブテーマの目的は、アジア各国のシダ植物に精通している国内外の研究者と協力しながら、アジア産シダ植物のレッドデータブック(絶滅危惧種のリストと分布情報)とホットスポット(種多様性が高く、かつ絶滅リスクが高い地域)の地図を作成することです。


 シダ植物は熱帯・亜熱帯で高い多様性が見られ、アジアだけで4000種以上が分布すると推計されています。しかし、アジア全域を網羅する植物誌の完成までの道のりは長く、未だに正確な種数や「どんな種がどこに分布するのか」についての情報は把握されていません。一方、稀少なシダ植物については、保全上の対策を講じるために早急なリストアップが求められています。そのために、本サブテーマでは、アジア産のシダ植物の中から、極めて限られた地域にだけ分布している「狭分布種」に焦点をあてて研究を進めています。「狭分布種」の分布情報の多くは、レッドデータブックの作成に欠かせないだけでなく、ホットスポットの選定にも役立つ貴重な情報です。また、それらの分布情報と共に、DNA抽出に用いるサンプルを収集することも目指しています。狭分布種におけるDNAの塩基配列情報が数多く集まることで、アジア産シダ植物の系統的な多様性も明らかになると予想されます。


 これらの研究を進めるためには、各国のシダ植物の専門家と協力しながら、より正確な情報を入手することが重要になります。現在、10名ほどの研究者と連携をはかりながら情報収集が始まっています。また、アジア各国では標本データベースの作成が進んでいますので、それらの情報も本サブテーマで構築するデータベースに統合していく予定です。


熱帯の山地に成立する雲霧帯はシダ植物の
種数が多い(マレーシア・キナバル山)

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